点滴の量ってどれくらい?

まずどれくらい脱水しているかを知りましょう!

  • 軽度脱水  体重の5%未満
  • 中程度脱水 体重の5~8%
  • 重度脱水  体重の10%

それぞれで牛はどうなっているか?

脱水の程度を知る際、目を見たり、皮膚を引っ張ってその程度を知ることが出来ます。

  • 5%未満  目の変化(いわゆる「目が落ちている」)はありません。    皮膚は2秒以内に元に戻ります。
  • 5%程度   目の変化はごくわずか。                 皮膚は2秒~4秒で元に戻ります。
  • 8%程度       目は2~4mm陥没(はっきり奥に凹んでいる)      皮膚は4秒~6秒で元に戻ります。
  • 10%     5mm以上著しく陥没(目が奥に引っ込んでいる)      皮膚は6秒以上元に戻らない。

その時の牛の全身の状態は?

  • 5%未満   元気はあります。自力でミルクを飲めます。
  • 5%程度    少し元気がなく、ミルクの吸いが弱くなります。
  • 8%程度       フラフラする。飲む気力も無くなる。
  • 10%                横たわって起き上がれない。

目の状態だけで脱水を判断しない!

脱水の判断は「目の変化(落ち具合)」、「皮膚の戻り時間(テントテストと言います)」、「全身の状態」を見ましょう

それは、栄養状態が悪い子牛などでは目の周りの脂肪が少なく、目が落ちているように見える事があるからです。

脱水量を推定しよう!

50kgの子牛だとします。

  • 5%脱水  50kg×5%(0.05)=2.5L
  • 8%脱水  50kg×8%(0.08)=4L
  • 10%脱水   50kg×10%(0.1)=5L

5Lの脱水では5L点滴しなくてはいけないのか?

先にも述べましたが、5%脱水では元気でミルクを飲む、あるいは少し元気がないという状態です。

牛はミルクを飲んだり、水を飲んだり、経口補液剤を飲んだりするので、まずは5%脱水以内の状態まで戻す事を考えます。

つまり50kgの牛がフラフラしてミルクを飲む気力が無いような時は8%脱水として、脱水量4Lの半分2Lを点滴すれば4%脱水まで戻す事が出来ます。

同じように50kgの牛が皮膚が6秒以上戻らない、起立が出来ない状態なら10%と判断し、脱水量5Lの半分2.5Lを点滴すれば5%脱水まで戻す事が出来ます。

「5%脱水以内まで戻す」が大事です。そのメリットは?

  • 子牛に5Lを点滴しようとすれば、牛の拘束時間が長くなり、人への負担も大きくなります。
  • 4Lや5Lを点滴すれば大量の液体が血管内に入り、牛の心臓や肺への負担が増大します。
  • 口から飲む事で腸の粘膜を刺激して消化管の動きが良くなります。

「全部点滴しないと!」と頑張らなくて良いのです。

5%脱水あるいは5%弱の脱水でも牛は喉が渇いています。後は牛が自力で飲んでくれるのを待ちましょう。

但し脱水が5%以内に戻れば必ず飲むか?と言えば、その原因(下痢してお腹が痛い、肺炎で苦しくて飲み込めない)等を軽減してあげないといけません。

脱水さえ戻せば大丈夫!とはならないので、そもそも脱水になっている原因を取り除く事はとっても大事です。